やはり朝から義母と話をしたくなくて、さっさとやることをすませ、2階に上がる。
仕事に行ってから、医師から電話があった。
今日は三島先生がいる日なのだろう。
話がしたいので、今日来られますか、と聞くので、夕方6時に約束した。
心配だったことをとりあえず聞きたかったので、それだけ聞いた。
「今日CT撮ったんですよね?シャント手術は必要なのでしょうか?」
医師が答えた。
「うーん、今のところお水の巡りは悪くないので…来られたら詳しくお話しします」
少し、ほっとした。
経過はそれほど悪くはないらしい。
夕方、帰ってきて、すぐに出かける。
今日医師と話がある、というと、義母が「大丈夫?一緒に行こうか?」と言ってきた。
私がそんなことを義母に言われるのは違う。
逆だろう。
いい、と言ってすぐに出た。
行くと、口に入っていた酸素チューブは抜かれていた。
起きていて、少し落ち着いているように思える。
三島先生が来たので、話を聞きに行く。
CT画像を見ながら、この前チューブを抜いてから、少し時間がたったが状態は変わっていない。
体内で水の循環が処理できている、ということだ。
2日前、目が開いていたのに意識がなかったので心配した、というと、その原因が分かった、と言った。
飲んでいた薬が今の状態には効きすぎていた、という。
6種類飲んでいた精神科の薬を、この病院の精神科の医師のアドバイスにより、2種類に減らした、それからよくなった、と。
問題は糖尿のせいで傷口の治りが遅いことだといった。
脳に達している傷なので、感染症になると大変なことになるらしい。
熱は肺炎はなく、脳手術をすると出るのは当たり前なので、今の熱は心配しなくていい、とも言った。
それと、体重管理、筋肉を落とさずに体重を減らしていくことの調節、
血圧は高いが、これも脳手術の反応だと思われる、
血糖値の管理のために今はインシュリンを使っている、ということ、
点滴の管から何か感染をしている可能性があったので、点滴を別のところに変え、抗生剤をつかっている、とも言っていた。
お通じは最初に出てから順調にあるという。
まあ、ほとんど食べてないで、栄養だからね。
月曜にもう一度CTを撮り、大丈夫そうなら一般病棟に換われるが、それでもまだ処置が必要と判断されたら、シャントをするにはまだ髄液がきれいではないので、もう一度管を入れて処置をする予定だという。
火曜日の午前中の手術室はおさえてあるので、その時はいてください、と言われた。
そして、やった場合のために同意書にサインさせられた。
それか、脊髄のほうから流す処置もあるので、そちらにする可能性もあるが、
そちらは今のベッドにいる状態でできるという。
今は、いろいろと医学が発達してるので、ありがたいなと思った。
とりあえず、写真を見て、この状態で今の意識レベルなのは妥当だと言っていた。
あとは、長いリハビリ生活に入っていくが、どこまで回復するかである。
とりあえず、ほっとした。
帰ってきて義父母に報告。
まずは、脳出血の急性期は過ぎた、とのこと。
一昔前なら死んでた病気だと思う。
命が助かっただけでも感謝である。
そして、義母への怒りも、夫の少し良くなった報告を聞くと、少し和らいだ。
それだけで、感謝することが大切だと思った。